夜、水俣の若手まちづくりグループ「あばこんね」の天野浩さんに、仲間と一席設けますといわれていて、待ち合わせしました。「自宅でお話することになった」ということで、よくよくお聞きすると、なんと地元学の吉本哲郎さんのお宅におじゃましてお話を伺うというではないですか!恐る恐るお邪魔したお宅には、地元の素晴らしい手料理が並んでいました。感激です。
ふふふ協議会を作るきっかけになったのは、吉本さんの講演を聞きに行ったえりも町で、居合わせた道庁の山田さんとの会話がきっかけです。吉本さんの「地元学」はまさに私たちが目指していたものの先にありました。あれから4年が経って、あらためて吉本さんのお話を伺い、しむかっぷ村も少しずつですが着実に歩みを進めている実感が持てました。鹿児島大学の小栗さんとも良い縁をいただきました。
昨夜は興奮冷めやらず、吉本さんのお宅の帰りに居酒屋で飲んで、さらにホテルのロビーで飲みました。朝はせかっくなので近くの水俣湾に面した漁港を尋ねることにしました。水俣の漁港がどうなっているのか、どうしても見たかったのです。小さな漁港はわずかな水揚げがあったようでした。組合で小さな食堂を教えていただきました。
漁師さんが使っている小さな食堂でちゃんぽんをいただきました。おかみさんはなんと北海道の下川町に住んでいたことがある方で驚きました。水俣病に苦しめられ小さな漁港の歴史を少し伺うことができました。おかみさんからはイチゴを1パックいただきました。あとで食べたらとっても甘くて感激しました。
つづいて「あばこんね」のメンバーでガイアみなまたでいろんなミカンや柑橘類を作っている高倉草児さんを訪ねました。昨日もご一緒しました。ご両親が環境活動を通じて水俣に入られたそうで、共同生活をしながら有機柑橘栽培に取り組まれてきました。お母様の敦子さんが、食事は常に大人数で一緒に食べる、食事を作る登板はとても大事な仕事とおっしゃっていたのが印象的でした。
北海道には柑橘類がないので、この季節に緑の葉っぱに黄色いみかんやレモンが実っているだけで感動してしまいます。それにしても草児さんの髪型がユニーク。自由な感性、そして地域愛。きっと共同生活の環境で育ったことが素晴らしい人材を育てたのでしょう。素敵な方です。
今度は「あばこんね」メンバーで天野さんからリーダーを引き継いだ、澤井健太郎さん(イケメン)を訪ねました。建設会社の多角化として食農事業部を立ち上げ、国産のアボカドに取り組んでいます。80本植えた苗は50本になりましたが、まだまだ試作は続きます。若いって素晴らしいですよね。彼らは未来の農業を考えています。
昨日もお会いした「あばこんね」の井上章久さんが経営されている「わかたけ保育園」を訪ねました。循環型エネルギーを導入して建て替えを計画中だそうです。食農教育も力を入れられていると伺いました。
最後に訪ねたのは青い海が一望できる高台にスペイン風のレストランを展開している福田農園の福田浩樹さんです。先代が導入した古い機械を駆使して、さまざまな柑橘からジュースを始め、ジャムなどの製品を製造しています。
水俣のとことん青い海と空、そして柑橘の葉の緑と実の黄色。水俣病で染み付いてしまった水俣=灰色のイメージを、本来の豊かな色の水俣に変えたい。自分たちの足元や歴史を目を背けることなく見つめ、そして考え行動する。水俣の若者グループからもらった勇気を、これからの村づくりに生かしていきたいと強く思いました。水俣、また来ます。ありがとうございました。
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