福島第1原発の周辺地域を訪ねて
東日本大震災と津波で亡くなられた多くの方、そして津波や原発事故の被害を受け、今なお不自由な生活を強いられている多くのみなさまに心からお見舞い申しあげます。
今回、福島を訪れて本当に良かったと思います。実際にこの目で見て、放射能の恐ろしさと、除染や復興の難しさを実感しました。また経済的な応援のために、この現状を「風評被害」と楽観的に歪曲して伝え、消費者に産物の購入を求めるのは、やはりおかしいと感じました。それほど目に見えない放射能のリスクは明らかに存在します。
しかし一方で、この地で暮らしていく覚悟をされた方々へ、自分たちはどんな協力ができるのか考えました。まず、国や県など顔の見えない情報ではなく、自分がつながりを持っている方々、私の場合はスローフードの仲間の感性や言葉を信じようと思いました。それは、スローフード運動を通して、有機栽培などの形で安全で安心な食材を生産したり関わって来られた方々が、もっとも危険である放射能について寛容な訳がないと感じたからです。つまり、福島の現状を直視し、そこで暮らすリスクを承知の上で、福島の未来を考えていらっしゃる方々の言葉や行動を、信じることからはじめようと思いました。福島の皆さんと共に、放射能にしっかり向き合っていくことは、日本の電力のリスクを一部の方々に押し付けて物質的な豊かさを得てきた日本の国民として覚悟すべきです。
これからも長い戦いが続くでしょう。それでも人と人が信じ合い、力や知恵を出し合うことで克服できるものと信じています。
2013年7月26日 山本敬介
<行動記録>
2013年7月21日(日)
郡山駅−国道288−三春町−国道288−田村市−国道288−立入り制限(引き返す)−国道399−葛尾村−県道253−立入り制限(引き返す)−国道399−立入り制限(引き返す)−県道50−田村市−県道303−国道459−二本松−国道349−国道114−福島市
2013年7月22日(月)
福島市−国道115−国道349−国道399−県道12−飯舘村−県道12−南相馬市−国道6−南相馬市小高区−国道6−浪江町−立入り制限(引き返す)−国道6−浪江町−南相馬市小高区−南相馬市−県道12−飯舘村−川俣町−二本松市−国道4−郡山市−福島空港
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<東日本大震災被災地を訪ねて 2011年4月10-11日>
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